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■ 朝の廃屋探訪

 翌朝も例の食堂で口に合わない食事を済ませ、付近を散歩することにしました。

民家

民家

 道沿いに民家が点々と建っていますがもちろん廃墟。というより屋根が崩壊している民家もちらほら……。人が住まなくなるとこれほど脆くなるものなのね。
 ガイドを先頭に民家へ入ってみます。庭の草木は伸びっぱなしなのでそれらをかき分けないといけません。植物に触るのは苦手なんだよな……。

民家

 ……家具や衣類などはほぼ残されていませんでした。家の中にも土や葉っぱが入り込み、壁紙はただれ、おまけに見慣れない外国の家ということもあってそこに生活があったことを感じられません。朝ではありますが陽は射さず、またカビ臭さが充満しています。写真で見る廃墟は美しいものですが、実際にそこに立てば一秒も早く出て行きたくなります。
 しかしそれでも写真を撮り、次の民家へ次の民家へと歩いて行きます。「この家には野良犬が住んでいるよ」そこは遠慮しておきます。

民家

 何軒か回っていると枠だけのテレビが放置されていたり、手紙や新聞が床に散乱したりしている民家にも当たりました。このテレビで最後に何を見たのでしょう。最後の新聞には原発事故のことも書かれていたのでしょうか。

 しかしやはり生活があったことを感じられません……。


■ 祈りを捧げ続ける人たち

 ホテルの前でイケメンと合流し、本日の取材に向かいます。
 最初に訪れたのは教会でした。ここは現役の教会です。建物の中は撮影禁止ということでしたので写真はありませんが、讃美歌? が流れ、多くの人たちが祈りを捧げていました。人が住めなくなった場所、人の力ではどうにも出来ないこと……。

教会

 これほど美しい祈りを私は見たことがありません。

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