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index > 商店街大好き! > 森市場 (1990年頃)
 兵庫県神戸市東灘区森南町に「セルバ甲南山手」というショッピングセンターがございます。その中に「セルバ名店会」という商店会が入居しているのですが、その前身は「森市場」という市場でした。
 森市場の開設は1932年(昭和7年)。神戸市小売市場連合会のサイトによりますと「当時としては日本最大級の市場だった。2000坪の敷地の東西二筋に100軒余りの店が並び、阪神間の市場トップの売上を誇っていた」そうで、まぁいまいちピンと来ないのですが「神戸市市場分布図」という昭和初期の資料によりますと店舗数が約100軒というのは数ある市場の1割にも満たないようですので、日本最大級というのは過言ではないことが分かります。
 そんな森市場も老朽化のため1990年2月28日をもって閉店、すぐそばの仮設店舗に移転した後、元の場所に建ったビルに戻り、1992年10月「セルバ」として再スタートを切ったのでした。

森市場

 さて!
 森市場の懐かしい写真を実家から借りて来ましたので何枚かお見せしたいと思います。
 ホントはスキャナで読み込むべきなんでしょうけどもそういう良い物がありませんでして、写真をカメラで撮るというまぁ原始的な方法で申し訳ないんですがまぁまぁそれは突っ込まないで下さい。

 ということで改めて1枚目。1989年9月23日……生まれてたかなぁ? 生まれてました。
 森市場というのは東西に走る国道2号線の北側に南北に長い四角な感じで建っていました。この写真はその西側で、南を向いて撮影されたものです。
 中央あたりに床屋さんのポールがあるのですが「サロン ナイス」。子供の頃に通っておりました。

森市場

 1989年11月7日。西側で北を向いて撮影されたものです。左手にあるのは駐車場です。後に仮設店舗が建つほどですので、それなりの広さはありました。庶民的な市場に広い駐車場が用意されてるってバブリーだなぁ。あ、駐車場というより駐輪場か。
 右手にちょっと分かりにくいのですが白地に赤で「森市場」と書かれた看板が掲げられています。出入口……ですよね、多分。

森市場

 こちらは東側で南向きに……だと思います。奥の方にアーチらしき何かが見えるのですが最後の方に出て来ますので覚えておいて下さい。
 中央のちょっと上に「森市場」と書かれた看板が掲げられています。こちらにも出入口があったようですね。  その右上にある街灯の店名が書かれている部分は何て書いてあるんだろう……「森不動産」かなぁ?

森市場

 どこだ!? 北側……かなぁ? 乾物屋さんというのか分かりませんが「グリコアイスクリーム」の冷凍庫が懐かしいです。子供の頃はアイスクリームを買って貰えるとなったら舞い上がったものでした。冷凍庫を開けるときのときめき、大人の今の方が何でも買えるのに味わってないなぁ。
 奥に見えます縦縞のお店は「白星社クリーニング」です。

森市場

 1990年1月1日、平成になって初めてのお正月です。これは西側で南向きに撮影されたものです。工事現場などでよく見る虎柄のバリケードが見えますが……何だろう?

森市場

 1990年1月4日。開店前に撮影されたものかも知れないのですが、昔はお正月と言えば3日や4日くらいまで皆休んでいましたよね。
 店名看板を見てみますと「洋傘と靴 イトオ」「服地 えびすや」「?古書籍」「?文庫」「洋品雑貨 マコト屋」「服飾(雑貨?) 成人・子供 マサヤ」……ここは西側の通路の南の方で、北を向いています。

森市場

 1990年2月12日。国道2号線を挟んで南東のあたりを撮影したものです。真っ赤な建物がお城のようでカッコいいですね。
「LIQUOR SHOP 宮地」に「くすり」のテント、小さく「神戸屋パン」の赤い看板も見えます。
「LIQUOR」の上に窓があったり「くすり」の右の方に洗濯物が干してあったりします。森市場は2階建てになっていまして、2階部分は住居として使われていたのですね。仕事場は1階、普段の買い物は市場の中、市場から出ずに暮らしていけたのかも。

森市場

 1990年2月21日。南西の出入口……かなぁ? 閉店の挨拶が掲げられています。詳しくは次の写真で見るとして、左側に「特価日 毎週月曜日 木曜日」、そして金曜日も何かの日だったようです。そしてその下に何かの絵が貼られているのですが、恐らく今後移転することになる仮設店舗の完成予定図です。

森市場

 閉店の挨拶を拡大してみました。読めない部分は想像ですが……
「ごあいさつ
 平素は格別のお引立にあずかり有難く厚く御礼申し上げます。
 さて当市場が昭和七年開設以来今日まで五十八年の長きにわた
 りご愛顧を頂いてまいりましたが この度市場……
 二月二十八日をもちまして全店閉店致すこと……
 ここに謹しんで永年の御愛顧に対し、店主一同心より御礼
 申し上げます。
 尚ひきつづき三月八日より……市場駐車場の仮店舗にて
 営業致しますので今後とも変らぬ……
 御願い申し上げます。
 お客様各位 森市場協同組合 理事長 渡部……」
 このような大きな看板を用意するというのももちろんタダではないわけで、それだけでバブリーだなぁと思ってしまいます。現代ならA3の紙に……ってまぁ当時はパソコンやワープロなど一般的ではなかったでしょうから看板にせざるを得なかったってのもあるのでしょうか。

森市場

 1990年2月21日水曜日。閉店まで1週間。特価日ではないのですが「本日の特価品」が目立ちます。
「佐野文具店」に「電送便」という看板が掲げられているのですが……何それ? 調べてみましたら「リコーのファクシミリサービス」とのことです。コンビニでFAXを送る……みたいなものですね。
 奥には本日の特価品として「あたりめ」「お菓子 お国めぐり」などが見られます。お国めぐりとは……気になります。

森市場

 トイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤などが並ぶ姿はザ・雑貨屋さんという感じ。現代ではディスカウントショップやホームセンターにその座を奪われてしまいましたね。
 天井の造花も華やかでこれもバブリーと思ってしまいます。

森市場

 少し歩いたところ。店名看板を見ますと「呉服」「履物」「毛糸・??」「家庭用品(?)」「洋品雑貨」「食品」「洋装(?)」……。「店じまい」の文字も見えます。

森市場

「精肉」「果物」「野菜」……定休日などが書かれた看板もありますね。定休日は毎週火曜日、特価日は毎週月曜日、何かが毎週金曜日。特価日は元々月曜日だけだったようですね。閉店時間は4月から9月が午後7時、10月から3月が午後6時半とのことです。今からしたら早いですね。

森市場

森市場

 1990年2月27日。国道2号線を挟んで南側を撮影したものです。左手に見えます紫色のテント? は「太陽社」。写真屋さんだったかな……?

森市場

「LIQUOR SHOP 宮地」の前から西を向いたところ。自販機に並ぶ瓶ビール! 今じゃ考えられませんよね。瓶ビールの隣は巨大な缶ビール? 500ml以上の大きさですよね。昔の人は酒飲みだった?
 白くて分かりにくいのですが中央より上のあたりに「タカラブネ」の看板も見えます。株式会社スイートガーデンさんが運営されているお菓子屋さんです。子供の頃は憧れたものでした。

森市場

 西側を見たところ。「洋傘・雨具と靴」という看板はあるものの、こちらから見たら普通に民家ですね。洗濯物も干されています。
「さかい」は美容室ですね。

森市場

 北側……? 左手に先程のアイスクリーム冷凍庫が見えます。隣は食堂の「もん」。右手の出入口のそばは「エル」。何の店だろう?
 こちらの出入口にも「ごあいさつ」の看板が立てられています。出入口毎に立てていたのかなぁ。出入口は南北に2ヵ所ずつ、東西にも1ヵ所ずつか2ヵ所ずつか……。6枚から8枚は作られていたことになります。バブリー!

森市場

 ちょっと離れたところから西側を撮影したものです。奥に見える黄色いテントは「今井パーククリーナー」? クリーニング屋さんかなぁ?
 左手に見えます新しそうな建物が仮設店舗です。改めて見ますと仮設とは言え立派な雰囲気がありますね。阪神・淡路大震災の後によく見られたプレハブの仮設店舗とはえらい違いです。
 しかも先に載せました1989年11月7日の写真では建物なんて影も形もなさそうな雰囲気でしたけど……年末年始を挟んで3ヶ月半でこれが建ったの? そんなもん?
 こちらも2階建てで、2階に集会場のような部屋がありそこで人形浄瑠璃を見た記憶があります。これが新店舗と言っても良さそうな立派なものでした。そんな建物を新しいビルが出来るまでの2年半だけ使用した後に解体してしまうのですから本当にバブリーな時代だったのだなと思います。

森市場

 市場に入りましょう。「酒 宮地」の看板があるから南東の出入口かな?
 左手は「薬 マエダ」。本日の特価品「キチンハク \100」? 何だ?
 出入口上部の細長い「非常出口」も懐かしいのですが注目はその上、「三角くじデー 毎週 金曜日」謎の金曜日は三角くじデーやったんや!
 三角くじと言うのはね、100円毎か200円毎か忘れましたが、買い物した金額に応じて貰えまして、くじをめくると「1円」とか「5円」とか書いてあってそれを現金で貰えるという何とも嬉しいものだったのです。
 小学生の頃、母の買い物について行って三角くじを引かせて貰うのが本当に楽しみでした。その現金を小遣いとして貰えていたのかは忘れてしまいましたが……。

森市場

 ここはどのへんかなぁ……。全く分かりません。衣料品店が並んでいるようですが、お店のジャンル毎にある程度かたまっていたのでしょうか。
 ちょっと見えにくいのですが右側の店名看板に「ボタン」とあり、いやまぁ本当にボタンしか売っていなかったわけではないのでしょうけど、少ない商品ジャンルで個人店が成り立っていた時代だったのですよね。

森市場

 ちょっと歩いたところ。「パン マル井」「時計・眼鏡」「ウエダデンキ」「家庭用品 さかもと」「生花・花器」……。アメリカンマフィン105円が80円! の左側にナショナルのマークが見えます。森市場を懐かしむ人なら分かりますよね、明るいナショナル。
 ところで最初の方に載せた写真に「ウエダデンキ」がありました。ウエダデンキは西側、つまりこの写真は西側の通路で南を向いたところということね。

森市場

「川魚・鯨 ?梅」「天ぷら」「野菜 竹本」「紙 文房具 ??松」……。手前は肉屋さん? 「朝びき地鳥」と書かれていますので、かしわ……鶏専門かも知れません。
 川魚なんですが今でも古い商店街や市場を歩いていますと「川魚」の看板を掲げたお店を見掛けます。昭和の頃は一般的だったんですかねぇ。

森市場

 ちょっと歩いたところ。右手のお店は「?肉・鶏卵 鳥芳」やったんや!
 奥には「鯨の赤肉 コロ脂身 大奉仕」。鯨が簡単に手に入った時代……。

森市場

「鮮魚 中?」「家庭用品 ?市」「鮮魚 北野」「茶」……鮮魚の隣に家庭用品や茶というのは意外に思います。魚屋さんって何となく水浸しのイメージがあり、商品が濡れたとか湿気たとかトラブルにならなかったのかな……。

森市場

 同じ場所から撮影した写真……と思ったのですが、よく見ると「鮮魚」の下に「ブラックタイガー アジ 大奉仕」と書かれた紙が吊られています。時間はどちらが先なのでしょう……。吊ったのか、外したのか。

森市場

 八百屋さん……天井から吊られたバケツよ! うわぁー、懐かしいー。バケツの中に小銭がじゃらじゃらと入っていましてですね、お釣りとか三角くじのお金とかをここから出していたわけですよ。レシートなんてない! ということは帳面も書きたい放題? 大らかな時代というのか雑な時代というのか……。このお店だけがそうというわけではなくて、日本全体がそうだったのです。

森市場

 先程も見た気がしますこの感じ。「履物 つるや」。

森市場

「漬物 大河」「こんぶ 浜井」「?? 山本」「海? 寿司 かねしん」「海産物 浜井」「バラエティミート ??スタミナ」……バラエティミートとはいったい? 牛豚鶏揃ってまっせ、ってなところかしらん。

森市場

「精肉 増田屋」「鮮魚 吉井」「野菜 竹本」「紙 文房具 ??松」……牛上肉450円、牛カレーシチュー用290円など、国産かなぁ? 今より安いのは安いと思いますが、激安というほどでもないですね。

森市場

 さてさて1990年2月28日、最終日です。たまたまなのか出入口のあたりだからか、静かな印象です。「洋傘と靴 イトオ」さんの棚もほぼ空っぽです。
 出入口のところは「メンズショップ mon 門」。

森市場

 営業終了後の1990年3月3日です。
 最終日の閉店時間はどのような雰囲気だったのでしょうね。通路に大勢の人が集まって三々七拍子……?

森市場

森市場

 1990年6月12日。3ヶ月ほどジャンプしました。
 布やバリケードで覆われてしまい、お城のような赤い姿が見えなくなってしまいました。しかし自販機が稼働していたり、左手に洗濯物が干してあるように見えますので、立ち退きはまだ行われていなかったのかも知れません。

森市場

 1991年3月2日。9ヶ月ほどジャンプしました。
 建物が解体されてしまいました。右手に見えますのが最初の方に出て来たアーチらしき何かです。「森南中央通」ググってもまさかのノーヒット。森市場とは別の商店街だったのでしょう。歩いたことがないってことはないと思うのですが、記憶がない……あー、当時で既に古いと思えるレコード屋さんがあったような、ような、ような……「森レコード」? 「モリレコード」?
 アーチの柱に「大阪????」「??? シャイロ」と書いてあるようです。

 このあと1年半ほどで現在の「セルバ甲南山手」の建物がオープンします。
「森市場」はスペイン語の「森」である「セルバ」に生まれ変わり、また当初は「東神戸サティ」という生活百貨店も入居していました。
 1996年10月には徒歩数分のところにJR甲南山手駅が開業し、人口は増えていたはずなのですがどうも上手いこといかなかったようで、名称変更した「甲南山手サティ」は10年間の契約を満了し2003年に退去してしまいました。セルバの方も店主の高齢化やら何やらで店舗数が減り、一時期は空き店舗が目立っていました。

 近年は「関西スーパー」や「しまむら」が入居するなど空き店舗は減少し、またセルバも「セルバマネー」という電子マネーを作ったり、「原点回帰」を謳いアンテナショップ「もり市場」を運営したり、売り上げは上々のようです。

 ちなみに空き店舗が目立っていた時代の写真も別のページに載せていますのでよろしくお願いします。



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