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2015/06/01 古 >>
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「ブルーガール」(藍妹啤酒)
酒好きな彼女と出会ったのはもちろん酒の席だった。好みのルックスであるうえに酒豪。心惹かれるのに時間はかからなかった。 その日のうちに連絡先を交換し、誘った初めてのデートはもちろん酒の席だった。休日昼間のデートももちろん酒の席だった。
近くの街で行われる酒のイベントに参加しようと誘われた。そのイベントの帰り道で想いを伝え、彼女との交際が改めて始まった。
酒好きの彼女が私を見ていないことに気が付くのに時間は掛からなかった。彼女は何よりも酒を優先した。私とのデートより酒の席を選び、初めて迎える彼女の誕生日に彼女は私に何の言葉もなく酒の席へ行くことを決めていた。 私は彼女に不満を伝え、彼女は分かったと言った。彼女は何も変わらなかった。
独り訪れた異国の地。小さな酒屋で購入した「ブルーガール」の蓋を開ける。缶に描かれた少女を見詰め、ようやく涙腺が緩んだ。
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