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![]() 突然だった。 近所のレンタルビデオ屋で半額セールが行われていたので 何か借りようと思って外へ出てみたらこれ。 再開発の名のもとにひとつの建物が解体されようとしている。 ![]() 私はカメラを取りに家へ戻った。 終わりゆく姿を残しておきたかった。 ![]() この建物にはゲームショップと床屋、化粧品店と花屋があった。 もちろん、皆どこかへ散ってしまった。 ![]() ゲームショップが開店したのは10年ほど前だろうか。 その当時は客で溢れていたが、ここしばらくは…。 ![]() 一階の花屋。 いや、花屋跡。 ![]() 色々と物が置かれているが、これは破壊者たちの道具だろうか。 ![]() 2Fにはゲームショップと床屋があった。 もう誰もドリンクサービスを受けない。 ![]() 最後の客はどんな想いだったのだろう。 ![]() 化粧品屋の前に貼られた注意報。 もう誰も見ない。 ![]() それでも資生堂は生き続ける。 ![]() 割られたガラス。 ![]() 窓は総て取り外されている。 そのおかげでわずかながら中を見ることが出来る。 ゲームショップに何か残されているようだ。 ![]() オレンジ色の渦巻きがおわかりになるだろうか。 そう、ドリームキャストのマークである。 セガというメーカーから発売されたゲーム機である。 それのテレビ台である。 そこに、ドリームキャストの新作ゲームのデモを流すテレビが置かれていたのである。 テレビは外へ運ばれたのだろうがドリームキャストのテレビ台は残されたまま! これは嫌味だ。 芸術の域にまで昇華された嫌味だ。 一世一代の大嫌味だ。 役目を終えた建物と共に消えゆくドリームキャスト。 まるで、ドリームキャストの役目は終わったとでも言うかのようだ。 店長はセガに恨みでもあったのだろうか。 哀しい、哀しすぎる。 そして素晴らしい、素晴らしすぎる嫌味だ。 私はシャッターを切った。 道行く人々が奇妙な生命体を相手にするかのような目で私を見るが 他人の目なんて気にしていては廃墟撮影は出来ない。 穏やかな休日。 |
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