<< 新
2013/05/01 古 >>
|
「シンハー」(タイ)
タイの水上マーケットを漂っていた。ボートには漕ぎ手のおばさんと私だけ。 すれ違うボートには何人もの友達連れや家族連れが乗っている。独りなのは私だけか……。
帽子や果物を手にした商人が川の端々から声を掛けて来る。はい、日本から来ました、いえ、中国人ではありません。あ、別に要らないです、試しに被ってみただけ。
しかしドリアンが不味い。ガイドに勧められて買ってみたが、不味い。新しいドリアンは臭くないよというその言葉は真実だったが、臭いも無ければ味もない。何を食べているんだ私は。
向こうから来るボートにビールが積まれている。シンハーだ。 それいくら? 100バーツ。高いな、50バーツにしてよ。60。あぁもうそれでいいよ。
何で私は独りでボートに乗って不味いドリアンを食べているんだろう。
シンハーを呷る。空が見えた。青い青い空だった。
|
<< 新
2013/05/01 古 >>
|
|
|