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2013/10/01 古 >>
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「クアーズライト」（クアーズ）
ビールは苦手だというその女が唯一「クアーズは飲めた」と言っていた。聞いたことのない銘柄だった。「缶の色がね、飲み頃の温度になると変わるんですよ」。
その女がいなくなってからクアーズライトを見付け、買ってみた。あの女は何を言っていたのだろうと思いつつ冷やしてみると確かに缶に描かれている山の色が白から青に変わった。思えばあの女は私の不注意な一言で顔色を変え弁解の余地をくれることもなくあっさりと消えて行ったのだった。
飲み頃のクアーズに口を付けた。アメリカビールらしい、水のような薄いビールだった。
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